じっくり

最近、ふと活字の本を読んでいないことに気が付く。
実家を出て、一人暮らしを始め、会社までの道程が短くなったのと、
自分の時間が作り辛くなったのが大きな原因か。。。


俺っちは元々本の虫で、
小さな小さなころから絵本を読み、図書館で本を借りては空想に耽るのが好きだった。
今でも感覚は変わっていない。
本を読むと空想に耽ることができる。


でも、恐らく一番大きな原因は
「食指の動く本が少ない」
だと思う。


現代作家の文章が妙に肌に合わない。
出版不況のさなか売れに売れ、話題になった村上春樹の「1Q84」も立ち読みしたが、
もう、文体や表現からして肌に合わない。
いろいろ試してみたが、どうも現代作家の文章に自分なりの「魅力」を感じられない。
ちょっと困ったクセだ。


開高健
吉行淳之介
大江健三郎
三島由紀夫
太宰治
エッセイの池波正太郎
井伏鱒二
野坂昭如
羅列すればきりがないが、この辺りが大好きだ。
特に、自分と趣味が被る開高健大兄の作品は全て読了し、全部に影響を受けた。
食べ物、酒、女、考え方、生きる意義、ひねくれ方、モノの見方など、
多大な影響を受けた作家だ。


もし、開高健先生が存命で、物語を書いたならば、どうなっていたのか、非常に興味がある。
難解で優しい文章。
シンプルで複雑な文章。
素通りしようと思えば素通りできるが、その実味わい深い文章。
それはもう、上質な生演奏のJAZZのような、緊張と緩和を含んだ文章。
そんな滋味溢れる文章を書いていただろうになぁ、と非常に口惜しい。


文章を読むことに傾倒できたのは、恐らく傾倒できる文章だったから。
最近、そういった作品群に出会っていない。






何かおもしろい作品はないかなぁ、、、